有楽町の朝…

 時はまさに令和二(皇紀2680)年!巷にはコロナが蔓延し(ただの風邪だが)、機会に乗じたマスゴミが事実をねじ曲げ、普段地味な知事どもがヒャッハーな会見を繰り広げ、自粛や「新しい生活」に疲れた庶民が疲弊する………世紀末的世相!

 

 一晩の合戦(労働)を終えた男は、かつて南町奉行所が置かれていた有楽町駅にたどりついた。

 

 そこは土方(どかた:土木作業員)どもがコンビニで買った安酒を車座になって飲みながら、ある者は高歌放吟し、ある者は下品に笑い、ある者はそこらで小便を撒き散らし、ある者は口論して喧嘩寸前……。

 

 男は思った。

  「百式短機関銃で掃射して汚物を消毒してぇ…」

 だが、現代は腰抜けどもが幅をきかす現代、そんな武器はあるはずも、持てる訳もなく。

 

 24時間やっているある店の前に男は立った。


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 「長い戦(ただの労働です)に疲れた体にはこいつが染みるのさ…」

 店内に突入した男は、早朝まで呑んでいたであろうはしゃぐ男女をかき分けつつ、奥のカウンターに座った。

 

 「牛皿定食!飯は大盛!味噌汁はしじみ汁に変えてくれぃ!」と腕組みして、メニューを見ることなく、異国から働きに来た店員に発注。あとはしばし瞑目して待つのみ…!

 

 「お待たせしました!」店員の掛け声につぶっていた目をくわっと見開き、眼前の定食を睨み付ける。

 「ふむ、朝は小細工なしのこれに限る!」


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 まずはしじみ汁を一口…疲れた体に染みる…。

 卵の醤油を垂らして、よく混ぜ、飯に載せる。肉に七味唐辛子をパラリとかけ、貝殻からしじみの実を丁寧に外して、準備万端…

 

 卵かけご飯をかっこみ、辛みの効いた肉を喰らい、咀嚼。卵のまろみと七味の辛みが飯と肉の旨みを増してくれる。合間にしじみ汁を流し込み口をサッパリさせてまた飯を…あっという間に完食!

 勘定を済ませた男は家路へと就くのであった…。